連日猛暑の知らせが聞こえてきますね。
暑中お見舞い申し上げます。
そんな、今日は、ログハウスを支える力についてのお話です。
ここ数十年に起きた大きな震災で、倒壊事例が報告されていないと言われるログハウスを支える力について、現在進行中のM様のランタサルミログハウスの写真を交えて紹介させていただきます。
ログハウスは1本の木材を互い違いに組み合わせていくため、始まりはハーフログ、半分に割ったログからスタートします。
そのため、基礎から出ているアンカーボルトは縦方向と横方向で長さが違います。
それぞれ、もう一段積み重ねてから、ナットで基礎と緊結された状態が下の写真です。
このように、基礎とログ部分は、いわゆる金物によって固定されていますが、ここから先は、重量物がもともと持っている「摩擦力」を利用して組み上がっていきます。
1本が10mのログ材で、アカマツの比重計算上は、約120kgの重量物が積み重なっていきます。
さらにここからは「ダボ」と呼ばれる木栓を打ち込んで、それぞれのログがずれないようにしていきます。
普通に考えても100kgの木材の上に100kgの木材を乗せて、それをずらすには、相当な力が必要ですが、さらに相当量のダボで固定されていきます。
世の中には、いろんな金物工法が生まれていますが、ログハウスを支える力は,木材を重ねることで生まれる摩擦力という自然の力で、これはログハウスメーカーを問わずにそれぞれのログハウスがもっている力で、そこに存在する間は、衰えることなく働き続けます。
この作業を積み重ね、M様のお宅では、総延長604mのログに約700本ダボを打ち込みます。
その重量はログ部分だけで約7tほどの「重さ」で組み上がっていきます。
木が生まれ、成長して、木材となって、その重さや特徴を生かして、住まいになり、その持っている力で住まい手を守ることが出来るってすごいな~と、思います。
また、その特性は、材種や製法による、耐久性や気密・防水性の違いはあっても、住まい手を守るという一点においては同性能というところがなんとも優しいですね。
重量物がずれない力、そんな力で、地震の揺れから守られている建物があることも、住まいづくりの参考になれば幸いです。
ということで、今日は、「ログハウスを支える力」、のお話でした。
それでは、また。