木の箱 ログハウス

静岡県木材協同組合連合会(静岡けん木れん)さんから出ているパンフレットに興味深い実験レポートがありましたのでご紹介します。

静岡大学農学部で行われた異なる材質の飼育箱でのマウスの成長と繁殖実験のレポートです。

 

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実験に使われたのは3つの箱。

木製(ひのき)・金属製・コンクリート製 です。

その3種類の箱の中で母マウスの子育ての様子や子マウスの成長の度合い、臓器の発達、生存率などの計測実験のレポートです。

結果は木製の箱の生後23日の生存率が85.1%だったのに対して金属製は41%、コンクリート製は6.9%だったということです。

臓器の発達も木製が一番優れ、金属やコンクリートで育ったマウスは木製に比べて卵巣が40%、子宮が50%、精巣が25%しかなく臓器の成長が未熟なままだということです。

また、情緒面でもコンクリートや金属の箱の中のマウスは性質が荒く、ケンカが多いという結果が出たということです。

レポートはそれぞれの箱での差は体の冷えが原因ではないかと締めくくっています。

それにしても「命を育む木の空間」とありますが、学校や図書館などの教育施設はほとんど鉄筋コンクリート造りで、1日8時間学校にいるとして成長期の3分の1を子供たちが過ごしている場所です。

 

 

木に比べて鉄やコンクリートの良さは耐久性や強度があげられますが、別の見方をすると100棟建てても同じものが作れる素材でもあります。

経済的な面からみると、発注もしやすいし受注もしやすい素材なんですね。

経済優先で進んできたことはいたし方ない気もしますが最近のニュース報道などで命をつなごうとしない親などを見ているとマウスの実験どころでは無い気がしてきます。

マウスの2年間の飼育箱での実験と、どんな過酷な場所でも生き抜くといわれる人間の数十年間の経済活動の結果がどうしても重なってしまいますが、

人間には選択肢ってものがあります。

 

身近なところでは、2010年度ログハウスオブザイヤーを受賞された国際学校「つくばインターナショナルスクールTIS」さんや2009年度受賞の「しらさぎ幼稚園園舎」さんなどは学び舎をログハウスで建築されています。

こういった選択は今の世の中ではそんな簡単な選択では無く、英断ともいえるくらいの選択だったのではないかと想像します。

木で作ることによる品質のムラ、維持・管理の問題・・などなど。

コンクリートで作ればどれだけ楽で儲かるかって経済的な話で落ち着きやすいところをあえて木に(人に)こだわってログハウスを選択されたところがすごいと思います。

 

マウスでの実験レポートを読んでみて、なんとなく共感を覚えた方はぜひ身近なとこから木の良さを再認識していただき、どこかで選択の場面に出会ったときに迷わず無垢の木を選んでいただきたいと思います。

 

今回、ご紹介した「命を育む木の空間」は静岡県木材協同連合会のweb siteで購入できますが100部単位と単位が大きいのでご希望の方はBe-Leafまでご請求いただければお譲りいたします。

お問い合わせはinfo@beleaf.jp またはお電話で0551-35-2269(吉良)まで。